2025年5月1日、Amazonが2025年第1四半期の決算を発表しました。売上高と利益は市場予想を上回る好調な結果となりましたが、株価は慎重な見通しを受けて下落しました。
決算ハイライト:売上・利益ともに予想超え
- 売上高:1,557億ドル(前年同期比+9%)
- 純利益:171億ドル(前年同期比+64%)
- 1株当たり利益(EPS):1.59ドル(予想:1.36ドル)
- 営業利益:184億ドル(前年同期:153億ドル)
地域別では、北米が8%増の928億ドル、国際部門が5%増の335億ドル、AWS(クラウド事業)は17%増の293億ドルと、全セグメントで成長を記録しました。
セグメント別の動向
AWS(Amazon Web Services)
AWSは17%増の293億ドルと堅調な成長を見せましたが、アナリスト予想の294.5億ドルにはわずかに届きませんでした。これは過去5四半期で最も低い成長率となり、投資家の懸念材料となっています。
広告事業
広告部門は前年同期比19%増の139億ドルと、全セグメント中で最も高い成長率を記録しました。この分野は今後の収益源として期待されています。
株価の反応と先行きの懸念
決算発表後、Amazonの株価は時間外取引で約2%下落しました。これは、第2四半期の営業利益見通しが市場予想を下回ったことや、米中間の関税問題による先行き不透明感が影響しています。特に、トランプ政権による中国製品への145%の関税強化が、Amazonのサプライチェーンや価格戦略に影響を及ぼす可能性があります。
CEOのコメントと今後の戦略
CEOのアンディ・ジャシー氏は、関税の影響について「需要の減少は見られず、価格も安定している」と述べ、Amazonの規模と多様な商品ラインアップがリスクヘッジになっていると強調しました。また、AIやクラウドインフラへの投資を継続し、特にAlexa+やTrainium2チップ、Project Kuiper(衛星インターネット)などの新技術開発に注力する方針を示しました。
まとめ:堅調な業績も、外部要因に注意
Amazonは2025年第1四半期において、売上・利益ともに市場予想を上回る好調な結果を残しました。しかし、関税問題やAWSの成長鈍化など、外部要因による先行きの不透明感が株価に影響を与えています。今後は、AIや広告事業の成長、そして外部環境への対応力が、Amazonの持続的な成長を左右する鍵となるでしょう。
Source:Amazon