日本時間2025年5月6日、米国のデータ分析企業Palantir Technologies(NASDAQ: PLTR)が2025年第1四半期決算を発表しました。本記事では、同社の主要な財務ハイライトからセグメント別動向、今後の見通しまでをまとめます。
主要ハイライト
- 売上高:8.84億ドル(前年同期比39%増)
- 純利益:2.14億ドル(前年同期比105.3%増)
- 1株当たり利益(EPS):0.13ドル(予想:0.13ドル)
- 営業利益:3.91億ドル(前年同期:2.26億ドル)
セグメント別動向
- 政府関連事業(U.S. Government)
- 収益:3.73億ドル(前年同期比45%増)
- 高額防衛契約や移民局ICE向けプロジェクトが牽引
- 商業事業(Commercial)
- 収益:2.55億ドル(前年同期比71%増)
- 大手企業へのAIプラットフォーム導入が加速
- Q1に締結した100万ドル以上の契約数は139件、1,000万ドル以上は31件
- 国際展開
- 欧州など一部地域での成長鈍化が懸念材料
- 同社CEOは「米国内でのAI需要が極めて強い」とコメント
ガイダンスの上方修正
Palantirは強い第1四半期の実績を踏まえ、以下の通期見通しを引き上げました:
- 2025年度売上高:38.90~39.02億ドル(前年同期比36%成長見込)
- 米国商業収益:少なくとも11.78億ドル(前年同期比68%成長見込)
- 調整後営業利益:17.11~17.23億ドル
- 調整後フリーキャッシュフロー:16~18億ドル
経営陣コメント
CEOのカープ氏は、自社の「ルール・オブ・40」(成長率+利益率)スコアが83%に到達したことを強調し、AIプラットフォーム事業への投資を継続する姿勢を示しました。
株価への影響
決算発表翌日の時間外取引で、株価は約9%下落。高いバリュエーションを背景に、やや控えめなガイダンス修正が売り材料視された格好です。
まとめ
2025年第1四半期においてPalantirは、39%増収、特に米国商業部門で71%の大幅成長を達成し、通期ガイダンスも上方修正しました。成熟しつつある政府関連ビジネスに加え、企業向けAIソリューションの本格的な導入フェーズに突入したことが鮮明です。一方で、国際市場の伸び悩みや高い時価総額ゆえの期待ハードルも見え隠れします。今後は、グローバル商業展開の加速と利益率維持の両立が注目ポイントとなるでしょう。
関連記事