ソニー 2025年3月期 本決算:営業利益16%増で1.4兆円、PS5は前年割れも音楽・CMOSセンサー好調

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ソニーグループ株式会社(6758)は2025年5月14日、2025年3月期(FY2024)通期決算を発表しました。売上収益はわずかに減少したものの、円安効果と高粗利ビジネスの拡大により営業利益は16.4%増の1兆4,071億円、最終利益は17.6%増の1兆1,416億円と好調。ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)とイメージング&センシングソリューション(I&SS)がけん引する一方、2025年度には金融事業スピンオフの影響で減益を見込んでいます。

決算ハイライト(通期)

  • 売上収益:12兆9,571億円(前期比 -0.5%)
  • 営業利益(事業利益):1兆4,071億円(+16.4%)
  • 税引前利益:1兆4,737億円(+16.2%)
  • 最終利益:1兆1,416億円(+17.6%)
  • 営業利益率:10.9% → 12.2%
  • 年間配当:株式5分割後ベースで25円(実質25%増配)

セグメント別の動向(通期)

セグメント売上高前期比営業利益前期比
G&NS(ゲーム)4兆6,700億円+9.4%4,148億円+43%PS5販売台数はQ4▲38%も、ソフト/課金が堅調、円安効果も大きい
音楽1兆8,426億円+13.9%3,573億円+18.4%ストリーミングと版権収入が拡大、Beyoncé・米津玄師などヒット多数
映画1兆5,059億円+0.9%1,173億円▲0.4%ストライキ影響でフラット、映画『ヴェノム』『バッドボーイズ』が寄与
ET&S(家電等)2兆4,093億円▲1.8%1,909億円+1.9%ブラビアTV不振も、オーディオ・カメラ好調で利益維持
I&SS(CMOSセンサー)1兆7,990億円+12.2%2,611億円+35%ハイエンドスマホ需要回復と自動車向け初期採用が寄与
金融9,314億円▲47.4%1,305億円▲24.8%保険運用益減少、IFRS 17導入影響、スピンオフ準備費用

来期(2026年3月期)見通し

  • 売上収益:11兆7,000億円(▲9.7%)
  • 営業利益:1兆2,800億円(▲9.0%)
  • 最終利益:9,300億円(▲18.5%)

主因は①金融事業の非連結化、②PS5ハード需要の踊り場、③為替前提の円高修正(想定USD = 143円)など。ゲーム事業はファーストパーティ大作「Ghost of Yōtei」で営業利益+16%を計画する一方、I&SSは自動車イメージセンサー量産立ち上げで増収増益を見込む。

投資家の視点と今後の注目点

  1. 金融事業スピンオフ:10月実行予定。スピンオフ後はエンタメ×半導体の純粋事業会社へ。資本効率改善と株主還元強化が期待。
  2. ゲーム IP モネタイズ:PS5販売台数はピークアウトも、ライブサービス型ソフトとPC移植でARPU向上を狙う。
  3. CMOSセンサー自動車市場:I&SSが2030年までの売上2兆円ロードマップを提示。EV/ADAS需要が追い風。
  4. 音楽ストリーミング成長:SMEはAIリスニング解析×マルチプラットフォーム展開で高利益率を維持。
  5. 為替感応度:USD1円円高で営業益▲40億円(G&NS中心)。米利下げ局面の円高リスクに注意。

まとめ

FY2024は音楽・半導体の拡大と円安が奏功し、営業利益・最終利益とも過去最高を更新。来期は金融切り離しやPS5踊り場で減益見通しながらも、高収益事業への集中と25%の増配方針がポジティブ。エンタメIPとイメージセンサーという無形資産と技術資産の二本柱が中長期価値を支えるか、注目が集まります。

Source:決算短信説明会資料補足資料

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