AMD 2025 Q1決算:売上36%増、AI需要がけん引 – データセンターが過去最高を更新

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5月6日(米国時間)に発表されたAdvanced Micro Devices(AMD)2025年1Q決算は、AI向け需要の拡大を追い風に主要指標すべてで市場予想を上回りました。

決算ハイライト(Non-GAAP ベース)

  • 売上高:74.4 億ドル(前年同期比 +36 %)
  • 営業利益:17.8 億ドル(同 +57 %)
  • 純利益:15.7 億ドル(同 +55 %)
  • 1株当たり利益(EPS):0.96 ドル(同 +55 %)

※1 ドル=10億ドル換算。GAAP ベースでは売上74.4億ドル/EPS 0.44ドル(前年0.07ドル)。

セグメント別トレンド

  • データセンター:37億ドル(+57%)
    EPYC CPUInstinct GPU が引き続き好調。生成AIワークロードへの採用増が成長ドライバー。
  • クライアント&ゲーミング:29億ドル(+28%)
    Ryzen Zen 5需要が旺盛な一方、ゲーム機向け半カスタムSoCは減速。
  • エンベデッド:8.2億ドル(▲3%)
    産業・通信インフラの一部ソフト需要は底堅いが、分野間で強弱が混在。

2025年2Qガイダンス

  • 売上見通し:71~77億ドル(中央値74億ドル) – アナリスト予想(73億ドル)を上回る強気レンジ。
  • 背景
    • AIアクセラレータ需要の継続
    • 中国向け輸出規制による約8億ドルの一時費用計上を想定も、事業ポートフォリオで吸収可能との説明。

市場の初期反応

決算発表後の時間外取引では株価が一時上昇したものの、規制関連コストが嫌気され小幅下落で終了。年初来では▲18%とSOX指数をアンダーパフォームしています。

投資視点・今後の注目点

  1. AIサーバー需要の持続性 – インフラ投資が一巡する2026年以降の成長鈍化リスクをどう織り込むか。
  2. 中国規制の影響度 – MI300シリーズなど高性能GPUの輸出規制が売上高の約10%分を左右する可能性。
  3. 競合とのシェア争い – NVIDIA Blackwell世代との消費電力/TCO差、インテルGaudi 3の価格攻勢も注視。
  4. ROCmエコシステム拡大 – Meta「Llama 4」やGoogle「Gemma 3」向け最適化の進捗が差別化カギ。

AI関連投資ブームが鮮明となる中、AMDはデータセンター向けを軸に第2の成長曲線を描きつつあります。とはいえ、中国向け規制強化や競合製品の巻き返しなど不確定要素も大きい局面となっています。

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